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2025年11月23日
物事は流れを止めてしまうと必ずどこかから腐り始めます。健全であるためには何ごとも流れ続けていることが大切です。思えばあらゆる部分に流れの悪さを感じていました。フリーランスとしての動き方、機材システム、写真そのものや被写体との向き合い方、そして心の状態。たくさんの管を抱える大きな一本のパイプのようにどこか一つが詰まり出すと、全体の流れの悪さに疑問が生まれるものです。じつは今期スタジオ兼住居へ拠点を移す計画があり、それが現状を断ち切る突破口になると感じていました。結果的にその計画は叶いませんでしたが。写真以外のことにも挑戦してみたいという前向きさを持って過ごした上半期でしたが、この挫折によってすべての循環が一度止まってしまったのです。流れが止まり前に進めないと感じる瞬間の恐ろしさを痛感しました。ただ、その恐れ自体が、次の流れをつくる“ばね”にもなるものですね。川嶋克写真事務所は今年で8年目を迎えます。ここまでに積み上げてきた部分を少し違うスタイルでアップデートし、心新たに11月をスタートさせました。また皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。気づけば、もう11月も終わりますが。
2025年09月17日
このままでは溺れてしまう。荒れ狂う情報社会をうまくサーフィンできる自信が持てず、2024年1月にSNSのほとんどを辞めました。SNSは大波です。1日あたりおよそ3時間、いや、もう少し少なかったかもしれませんが、曖昧にその波へ身を委ねていた居場所を、日常生活に置き換えたほうがよいと考えたのです。オンラインとオフラインの適切なバランスはどこにあるのか。そんな問答を重ねた1年半でした。ところが近頃、オンラインにさらに疑問を抱くようになっています。ページを開けば、度を越したアフィリエイトに埋め尽くされたブラウザ。エラーコード404を一軒一軒ノックしていくような寂寥感。ショッピング目的で検索窓の向こう側を覗いても、現れるのは奇妙なドメインの詐欺サイトばかりです。「もう昔のような、アングラでお金抜きでも熱気のこもったネット世界は戻ってこない」そんな一文をいつか見かけましたが、いまや納得せざるを得ない光景が広がっています。都会の街並みが絶えず変わっていくように、インターネットの構造もまた同じくどんどん姿を変えているのだと、遅ればせながら身に染みる今日この頃なのです。