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*2026.01.17


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2026年1月17日
本年を迎えて最初のうれしいニュースです。昨年より制作をご一緒させていただいた書籍『ねこ?がいるよ 〜堺のまちのいろんなところに百ねこ一座〜』が、1月14日に誠文堂新光社さんより出版されました。 大阪府堺市の町場の風景を、美術作家・安藤庸子さんが生前に遺した150体にもおよぶ猫の作品と辿る写真絵本です。 八百屋にはじまり、お寺、銀行、消防署、路面電車など、堺市の17の風景を訪ねました。 古きも新しきも混ざった「堺」という町をおもしろおかしく遊ぶ百ねこ一座のひと芝居が、大人から子どもまで、いろんな方のお手元に届きますことを願っています。 安藤譲二さんをはじめ制作チームのみなさん、この度は本当にありがとうございました。

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昨年のある夏の日「大阪・堺を舞台に、美術作家・安藤庸子の作品群を書籍として残したい」という安藤譲二さんのお話を写真家として受け取ったのがはじまりでした。 しかし僕は彼女とお会いすることができません。安藤庸子さんは百ねこ一座を遺して2024年に亡くなったと聞きました。彼女/作品/堺との深い物語やつながりはそうたやすく言語にはできないし、また庸子さんという不在の気配も、写真にならなければいけない。それを念頭に理解しました。手元にあったのは生前この作品群について語られた一片のテキストと、150にもおよぶ白い猫たちだけです。それらだけを頼りにこれまで脈絡もなかった川嶋克という人間をチューブに通って像を結んでいく。その行き先にあるのがこの写真絵本なのかもしれません。撮影ではときに目の前で起こった出来事に好奇心でiPhoneを向ける一般人のように、ときに三脚を据えてじっくり撮る町の写真家のように、一見無機質な作品群の居場所と町場の風景とが溶け合う条件に眼差しを向け、こだわりなく好奇心を注ぎました。白い猫たちの仕草表情は十匹十色。撮影に立ち会った皆でカット毎にキャスティングをして「芝居を打って」もらったのですが、町の人たちも応えるように芝居を打ってくれるのです。猫に命が宿ったなら本当にそこにいたかのようにも思えるほどの自然な光景です。庸子さんや作品群が町と出会うことで、血の通った、すごいインスタレーションが立ち上がっているのを、あとから写真で目の当たりにし、 何も知らない川嶋克という男が、気づけばその光景の証人になっていた──自分にとっての読後感はそういうことかもしれません。

左から_安藤さん/阪口さん/武市さん
左から_志波さん/安藤さん/武市さん


2026年1月4日
新年明けましておめでとうございます。ニーマルニーロク、今年の豊富は「近づく」と書きました。プライベートでもこっそりと撮り続けているフィルム写真。現像した写真を見返しては常々「被写体との距離感」について考えていました。僕の写真にはどうしても他人事のような間を感じる。被写体の間合いに入る勇気が一歩足りません。写ったものこそ僕の性格だし人間性だとふんぞり返ってもいい。しかし自身の写真に手応えを感じないのはやはり自分自身の克服を示しているのかもしれません。とにかく近づいていくこと。僕の主戦場でもある35mmという焦点距離をもっと知ることです。ところで昨年からとあるテーマで写真を撮っています。それも「近づきたいけど近づけない」向き合い方の難しい被写体です。その発表もできたらいいなと思います。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2026年1月_FUJIFILM Finepix REAL3D )
(2026年9月_FUJIFILM Finepix REAL3D )
(2025年12月_Leica M2 )
(2025年10月_Leica M2 )
(2025年10月_Leica M2 )
(2025年12月_Leica M2 )
(2025年12月_Leica M2 )


2025年12月7日
ロッキーは《イタリアの種馬》という通り名で知られていて、転じて「女をとっかえひっかえする勢力旺盛な色男」という意味で通じるそうです。​そういえば、少し前に惜しくもお別れすることとなった愛車《イタリアの熊猫》ことフィアット・パンダ。ある方面では最高傑作とも言われるイタリアを代表するコンパクトカーで、愛嬌のあるデザインと小気味よい走りが魅力の一台でした。​しかし「勢力旺盛」なんてとうに昔の話。いくらハイオクを飲ませて馬乗りになろうと、調子が出ないと言っては、すぐにロードサイドで休む日々。丸2年の付き合いになろうというところ、とうとうストレンジなサマー2025の真っ只中、走れないカラダとなってしまったのでした。生卵飲ませたろかほんま!……とはいえ、こちらもなかなか酷な乗り方をしてしまっていたものです。ごめんね。そして、遅れた秋の涼風とともに、次なるクルマがやってきました。マツダ・ボンゴバンです。これは、これまでの愛車遍歴では初めての国産車(※イタリア車の前はドイツ車)です。​はたらくクルマとして相応しい肉厚なドライブシートに、大人2人は横になれるであろうラゲッジスペース。どれだけ機材を放り込んでも日本全国を旅できる1.8リッターのトルクは、ハンドルを握っていてとても頼もしい相棒です。ボンゴという名も動物から来ているみたいですね。より大容量となった川嶋克写真事務所、今後ともどうぞよろしくお願いします。 

(2025年11月_Leica M2 )