Top  *Nikki


*2025.2.23
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2025年2月23日


(2025年2月_Leica M2)


2025年2月15日
大阪ではいろんなカタチのチャリンコとすれ違います。電車バスと同様チャリンコが皆の足です。とくに気にも留めてなかったけれど近ごろになって、道ゆく大半のチャリンコはチェーン油が切れていてガリガリと音を立てているのがやたらと耳に障ります。なるほど歩けば大阪中がガリガリと音を立てている。自動車、クラクション、何千万の室外機、高収入バイトの広告トラック…。町中が色んなノイズを立てて回転している中、明らかにスムージーではない音が拍を刻んでいきます。ガリガリガリ!ガリガリガリ!言葉にもできない小さなものとはいえ縦横無尽にそれが走ってちゃあ、さすがに心に引っ掛かりを持たずにはいられますまい。まあ音はともかくとしていずれにせよパワーを伝える大事な部品です。摩耗が進んでチェーンが外れやすくもなるでしょう。いよいよは変速すら難しくなります。色々と不健全であることには変わりありません。一体どうして直さないんだ?ノイズが自らのスムースな毎日に爪を立てているにも関わらず、それにも気が留まらないほどに耳が遠のくほどの意識状態で生きているのでしょうか。それとも自覚はあるにせよ面倒で片付けられるほどちっぽけな問題なのでしょうか。近ごろはチェーンの油を切らす人を憂う路上です。僕はこれを「油を注す気持ちがゾンビ化している人たち」と呼びたい。このゾンビ化が社会現象として広まっているように感じています。それは音環境やチェーンの健康だけの生活だけではありません。きっと、チェーンだけでなく、人間関係や仕事の潤滑、自分の夢や、恋人や他人へ向けた、心のあらゆる部位までもが同時にゾンビ化しているのです。明日からチェーンを擦り減らしている人がいたらひとこと声を掛けることにしよう「話聞くよ」って。

ここからが本題なのですが、当事務所はじめての看板ができました。ネガを確認するのに使っていたFUJIFILMのライトボックスに、大阪JAM本店さんでシルクスクリーンを施した1点もの。素人ながらにキレイに刷れたの割と気に入っています。ぜひ事務所にも遊びに来てくださいね。インクが余ったので同じ版を使って簡単なトートバッグにも刷ってみました。こう見るとキチンとした事務所みたいでなんだかカッコいいですね。このトートバッグ、1点しか残っていないのですがなんとメールをいただいた方に条件付きでプレゼントいたします。どしどしご連絡をお待ちしています。条件というのは「コレを下げてお洒落をしてたくさん出掛けてね」です。つまりは募る歩く広告塔!実を言うと裏側にかっこいい写真も貼っちゃおうか模索中です。



2025年1月29日
朝日に照らされながら早足が行き交う大阪のオフィス街。僕はそれを縫うように自転車を転がしていて、赤信号に止まろうとしたときハンドルを握る手が滑り、前傾姿勢のままカラダだけ大回転。気が付けば僕をじろじろ見ている通行人の皆さんに囲まれいる状況にハッとしました。これ落ちましたよ!と声を掛けてくれた女性の顔すら恥ずかしくて見れません。ああ大阪のド真ん中で派手に転けてもた。おまけに左肩に鈍痛があり腕が上がらないときた。幸いにも服や自転車にはダメージはありませんでしたが、本日一日中左腕はほとんど動かせず。参ったことにこの日記を打ち込むのに陽が暮れました。1月は肩に爆弾を仕込んで店仕舞い。そういえば帰りに寄ったカロで岸政彦先生の著書を買って帰えたのが救いでした。読むの楽しみ!

2025年1月21日
 
紀伊半島南西部の海岸線はリアス式海岸で、黒潮削り出しの岩肌が延々と連なる景色がすさまじく、折に触れては見に行くのです。入り江から足場とも言えない岩壁をつたい、いびつな岩肌を登って小高い場所に立つだけでも、まるで鳥になったかのような気分です。あれはいつだったか久方ぶりに訪れた和歌山。その日も例によって鳥になって眼前のパノラマにシビれていると、あらま海の真ん中にぽつねんと人の影があるではないですか。目をこすってもう一度。確かにだれかがジッと海を見続けている。釣竿でも持っていればそのまま見過ごせていたのだろうけど、その様子はないしどうやらスカートをなびかせた女性だってのが分かった。とにかくすごい波だし、潮が満ちる前に助けに向かった方がいいか。いろんな事情はあるにせよまだ早まることは無いじゃないの。いつだって人生はやり直せるんだからね、それにしてもどうすればそんな所まで行けるんだ? なに?写真撮ってたの?

(2024年某日 _Fujifilm GFX50R)



写真家河島夏希曰く「トランス状態だった」と語っています。そこで撮った写真は、2025年1月11日に刊行となった河島夏希写真集「光ること」に収録されているとのことです。興奮の一片一片が68Pにもわたって編集された本編。印刷や装丁にもかなりこだわって作られています。ぜひ色んな方に見て頂きたいと思います。また1月26日(日)迄の期間、福島区海老江のブックカフェawaiyabooksにて展示販売が行われています。ぜひ会場でフォロンティアプリント(ネガ写真)をゆっくりと鑑賞下さい。本作について自身の感想についてはまだ言葉になりませんが、言葉になる前段としての印象を少し。68Pにわたる写真それぞれに自分自身の記憶の琴線に触れる部分がありました。それらはiPhoneで撮る個人的な写真でも、鉄オタ(彼らも写真家である)が躍起になりコレクションとして撮られる写真でもなく、あくまでニュートラルでまなざしとして私たちに語りかけてくるようです。光ること、それはキラキラと眩しいもののようでどこか切ない。巻末に綴られている作者の文章も必読です。素敵な作品集になりましたね。この度はおめでとうございました。

(2025年1月 _Fujifilm X-T4)


それにしても写真家とは望むイメージを得るためには危険を顧みない人種なのでしょうか。写真を続けているとそういった回路がショートするんだろうな。ところで今回クレジットを敢えて載せていませんが、印刷を手掛ける京都修美社や、JAM OSAKAで展開されるメイキングに同行し記録を担当しました。いい経験をさせていただきました。なっちゃんARIGATO!!! そして告知が遅れてすみませんでした。残り会期も頑張って。

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写真集発表展示会「光ること」
期間_R7.1/11(Sat)-26(Sun)13:00-17:30
(11Sat-13Monのみ10:00-17:30)
場所_awaiya books
〒553-0001 大阪府福島区海老江2丁目7−22
@awaiyabooks

(2024年某日 _Fujifilm GFX50R)


2025年1月13日
 
「やさしすぎる」今でも尊敬しているブンボ株式会社の江副Pに言われ続けたことを思い出します。やさしいという印象にも種類は数あるとしても、彼が意見するのは、良い顔をして、いやむしろネガティヴな感情を恐れてなのか、つい相手の要求を受け入れてしまう類のやさしさのこと。(以下これをやさしさと呼ぶ)僕はたしかにやさしい。ただこれが厄介です。いまたくさんの好きな人と交友関係を持ち続けられているのはきっと、やさしさが育ててくれたものでもある、というとおこがましいけれど。しかし彼が赤ペンで書くところは、それが時にしてその性格は悪にもなることを孕んでいるということです。確かにやさしさを逆手に(いや正々堂々と)手玉を取られることも多いし、泣きを見たことなんて何度もある。まあこれは僕自身の問題です。ですが僕以外のまわりへの影響に赤ペンが波打っているわけです。安請け合いしたあげくプロジェクトが陳腐なものになってしまったりはその例。そこにやさしさで受け入れてしまったことで、方々に悪影響を及ぼしてしまうことだってあります。やさしさを分解するとその主成分は「誰かではなく自分のためだけ」にあります。それが例えば人のため、なにか違うコトへのためのやさしさだったとしたら?自分の保身を超えた部分で誰かと繋がっていけたのかもしれません。もっと妥協のない正直な未来を得られていたのかもしれません。できることはできる。できないことはできない。これをいかにしっかり伝える「自らの言葉」を身につけるかっていうのは、もちろんド正論なのでまたの機会に置いておくとして、誰かのために、これまでの自分のやさしさを戒めたいと思うニューイヤーです。もうすぐ月も半分に折り畳まれるゾ。


(2023年12月_ContaxTVS)


2025年1月2日
 
おととしの秋、軒を同じくして四世帯が住まう二階建の長屋に越してきました。大阪梅田からふた駅離れた下町です。二階建だし躯体も古いので大掃除にはひと汗かかされます。大晦日はそうして暮れることになりました。ソファの1脚すら通せないほどの小さな玄関(小回りがきかない)、年季の入ったタイル張りの風呂や便所、それにしては広すぎる台所。二階建なので往来はあたふたするし、軒先の道路はクルマが1台ようやく通るくらいの路地の中に建っているから不便なのだけど、なかなかここでの生活は気に入っています。年末年始の買い出しのために最寄りの商店街に出かけたのですが、16時頃の空はすこしだけじめっとして、夕陽が分厚い雲で見え隠れしながら、だんだんと落ちて行く感じが、なんとも大晦日っぽいなと感じました。大掃除が終わったのは21時頃、歩いてすぐの場所に風呂屋へ2024年というこれまた激動の365日の錆を落としに歩く道中、自転車ごと転んだおばあちゃんを助けるという大団円。おばあちゃん、かわいそうやったわあ、大晦日の夜に一人ぽっちでコケてもうて。僕らがたまたま通りかかったからよかったけど。おばあちゃん「ありがとう、ありがとう」って泣いてはったわ。怪我せんでよかったね、良いお年をお迎え下さいゆーてね。

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(2024年11月_GFX50R)


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